てんかんの治療方法
てんかんは治療できます。
お薬(抗てんかん薬)で神経の過剰な活動を抑えると、多くの人で発作が起こらなくなります。
しかし、過剰な活動が再び起きなくなるような状態になるには長い年月が必要で、長い間薬を飲む必要があります。
また、残念ながら4割くらいの人では発作がお薬でおさまらず、その場合には手術などで治療することもあります。
抗てんかん薬による治療
てんかんの治療は抗てんかん薬から始まります。
1種類目のお薬で約4割の方で発作が止まります。
1種類目のお薬で効果がなかった方も、2種類目のお薬で約2割の方で発作が止まり、合計で約6割の方ではお薬だけで発作が抑制されます。
なお、どのお薬を使うかを決める時には、てんかん発作の詳細、てんかんとなった原因、合併症、年齢、妊娠の可能性など非常に多くのことを検討する必要があります。
お薬以外の治療
お薬で十分な効果が得られない時には、外科的に手術ができないかどうかを検討します。
外科的に手術ができる場合には、およそ8割の方で発作が抑制されます。
また、首のところにある迷走神経という神経を刺激したり、食事療法を行うことで発作を減らすこともあります。(当クリニックでは外科的治療は行っておりませんが、提携するてんかんセンターに依頼しています。)
てんかんの包括診療
てんかんの診療はただ発作を抑制するだけではありません。
診療が長期間となることもあり、てんかんのある方の就学、運転免許取得、就労、結婚、出産、老後など人生の様々な出来事に関わることになります。
そのため、ただ、お薬を出すだけではない「包括診療」が重要になるのです。