てんかんの診断

診断のためには、どの様な発作で、どうしててんかんになったのかを把握するため、詳しくお話しを聞くこと(病歴)が最も大切です。
また、包括診療をするためには、現在の職業や家庭環境などの社会的な状況をお伺いすることも大切となります。
病歴をお伺いした後に、各種の検査で診断の確認を行い、治療方針を決定することになります。

てんかんの診察

初診時には麻痺やしびれなどがないか、診察をします。
しかし、多くのてんかんのある方では、発作の時以外の症状はありません。
むしろ、てんかんの原因となるような病気がないか、治療を始めた後に副作用がでないかなどの確認のための診察が大切になります。

てんかんの検査

検査のイメージ写真

てんかんのある方では、血液検査、脳波検査、MRIなどを行います。

血液検査

初診の場合には、現在の健康状態を把握します。
抗てんかん薬による治療開始後には、肝機能障害や貧血などの副作用の確認、お薬の効果(薬物血中濃度)を確認するために行います。
特に、お薬の量を調整している段階では繰り返して行う必要があります。

脳波検査

てんかん発作は神経細胞の過剰な活動による症状ですが、その過剰な活動を確認するための検査です。
目の前で光をちかちかさせたり、深呼吸を繰り返していただいたり、眠っていただいたりすることで、脳の活動を確認します。
ただし、1時間程度の脳波検査では、異常が記録できないこともあります。
また、治療により脳波の異常が改善したか、悪くなっていないかなどを確認することもあります。これらの様な場合には脳波検査を繰り返して行います。
当クリニックでは多チャンネル・広周波数帯域を記録できる脳波計を用い、赤外線対応の脳波計専用のビデオカメラ2台を設置して、脳波を記録いたします。

MRI

てんかんの原因の中には脳腫瘍や脳梗塞などもあります。
これらを確認するためにMRIを行います。
脳腫瘍などの一部の病気では、はじめのうちはMRIでも異常が見られず、数年してからMRIで異常が確認できることもあるため、繰り返しが必要なこともあります。
(MRIは当クリニックでは行っておりませんが、提携している医療施設に依頼しております。)

その他の検査

これらの他に、長時間脳波ビデオ同時記録検査、特殊な血液検査、脳脊髄液検査、誘発電位検査、PET検査、脳磁図検査などの精密検査が必要な場合があります。(これらについては当クリニックでは行っていませんが、提携しているてんかんセンターに依頼しております。)